想元紳市ブログ

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『マンハッタン』

1979年の傑作映画『マンハッタン』。

テレビ局の仕事から小説家に転身しようとしている、ウディ・アレン演じる中年男アイザックが主人公。
神経質で皮肉家のアイザックと個性的な3人の女が繰り出す人間模様がコメディータッチで描かれる。

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メリル・ストリープ演じる元妻ジルはレズビアンの恋人と同棲し、アイザックのことを曝露した自伝小説を発表しようとしている。
マリエル・ヘミングウェイ演じる、現在の恋人のトレイシーは、素直で純粋だがまだ高校生だ。

そんな中知り合った、典型的なNYのキャリア・ウーマン、メリー。
演じるのは、アレンの元パートナー、ダイアン・キートンだ
高慢な自信家で鼻もちならない上、親友の不倫相手でもある。
だが、アイザックは、トレイシーを裏切り、次第にメリーの大人の魅力に惹かれるようになってしまう。

濃淡の強いモノクロ映像、ガーシュインのラプソディー・イン・ブルーをBGMに撮影されたマンハッタンの風景は、文句なしに美しい。

またウディ・アレン独特の、饒舌で知的な台詞が冴えわたる。

「私はなんでも知っている」と自慢げなメリーに、アイザックが言う。

「頭で理解できることに価値はない。価値があるのは別の口から入ってくることだ」

それでも口ごたえするメリーをアイザックがたしなめる。

「君は頭脳に頼りすぎる。過大評価の器官だ」

物語のテーマは、アイザックが小説を執筆するためのメモとして記すこの言葉――。

「不必要な精神問題を次々に作り出すマンハッタンの人々、それは解決不能な宇宙の諸問題を逃れるため」

やがて、アイザックは、皮肉な人間関係に疲れ、トレイシーの尊い無垢さに気づく。
慌てて彼女の家に走るが、ちょうどヨーロッパ留学に旅立とうとしている。
留学から戻るまで待って欲しいというトレイシーが、アイザックは信用できない。

そしてこの映画は、トレイシーのこの台詞で終わる。

「変わらない人もいるわ。少しは人を信じなきゃ」

トレイシーに象徴されるささやかな希望が、マンハッタンの美しい夜明けと重なる。

 
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