想元紳市ブログ

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『赤線地帯』

溝口健二の代表作『赤線地帯』。

まもなく売春防止法が施行されようとしている昭和30年代初めの東京、吉原。
様々な事情を抱えた娼婦たちが、娼館「夢の里」を舞台に、哀しくも、たくましく生きていく。

娼婦を演じるのは、京マチ子、三益愛子、若尾文子、木暮実千代。
おかみが沢村貞子、お手伝いが浦辺粂子。

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女の悲哀と戦後の混乱を描いた人間ドラマだが、味わいは喜劇である。

神戸から新しくやってきた京マチ子、おかみの沢村貞子に品定めされる。
「ちょいと、立ってみな」と言われて、ポージングし、自分で「八頭身や!」と胸を張るシーンが笑える。

「あの子は稼ぎもいいけど、使い方も荒いですからねえ」というしみったれたお手伝い役の浦辺粂子は、この頃からもう老婆の役だ。

三益愛子は、溺愛している一人息子に突き飛ばされ、持っていたハンドバッグが宙を飛ぶ。
残酷な場面ですら、どこか滑稽さが漂う。

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宮川一夫の撮影は、ここでも見事と言うほかない。

黛敏郎の音楽は、おそらく当時はずいぶん斬新なものだったはずだが、今聞くと、オカルト風で、少し違和感がある。

本作が溝口健二の遺作だ。
この数年前には、田中絹代を主演に、『夜の女たち』という大阪を舞台にした娼婦ものも製作しているが、やはり『赤線地帯』の方が断然面白い。

 
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