想元紳市ブログ

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『ベルベット・ゴールドマイン』

『デビッド・ボウイ 7つの時代』というBBCドキュメンタリーが面白く、久しぶりに『ベルベット・ゴールドマイン』を鑑賞。
最新作『キャロル』の評価が高いトッド・ヘインズだが、自分はやはり1998年の本作が最も好きである。

新聞記者のアーサーが、10年前、狂言事件をきっかけに姿を消したミュージシャン、ブライアン・スレイドの消息と事件の真相について調査を始める。

アーサーにとって、ブライアンは、同時代を生き、熱狂的ファンの一人として心酔した対象であり、まさに自らゲイに目覚めた青春そのものだった。
映画は、グラムロックが台頭する70年代ロンドンのミュージックシーンに、真相究明をする今を交えて描く。

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言うまでもなく、デビッド・ボウイがモデルのブライアン・スレイド。
同じくイギー・ポップがモデルらしいカート・ワイルドとの関係が柱だが、音楽とともに、物語のもう一つのテーマであるホモセクシャルを重層的に形作る重要な人物があと3人いる。

もちろんアーサー当人、そしてグラムロックの先駆者であるジャック・フェアリー、さらに19世紀の作家オスカー・ワイルドだ。

そもそも、映画は冒頭いきなり100年前のオスカー・ワイルドの生誕シーンから始まるのである。また、あたかもバトンのように5人の間を受け継がれるエメラルドグリーンの石の存在。

そこに暗示されているのは、リインカーネションとも、過去から脈々と流れるゲイプライド的精神とも見て取れる。

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初期のマネージャーを務めた男が、振り返って、ブライアンを形容する言葉が印象的である。

「彼は、嘘が服を着たような男だ」

嘘を、虚栄心とか強烈な自己主張と言う言葉に置き換えてもいいのではないかと思う。

先のドキュメンタリーから受けたデビッド・ボウイの印象も、まさに同じだった。決してネガティブな意味ではなく、自意識を垂れ流し続けたアーティストだったと思う。

無から生み出す天才肌ではなく、その時々に既にあった先鋭や別のアーティストから盗んだものを進化させることで、自分のスタイルを創造していったアーティストだったことは、ドキュメンタリーでもはっきり描かれている。

本作の映画化にあたって、ボウイは一切の協力を拒否した言われるが、もしかして、その本質を突かれることを好まなかったからかもしれない、と勘繰りたくなる。

ジョナサン・リース・マイヤーズとユアン・マクレガーは役柄にぴったりで、文句なく美しい。だが、アーサーを演じたクリスチャン・ベールには終始違和感を拭えなかった。劇中でのメイクもあまり似合わず、はっきり言って野暮。もちろんそういう垢抜けない役柄なのだが。

ただ、自分は、アーサーにもモデルがいると思う。
他ならぬ監督のトッド・ヘインズ自身だ。

劇中、カート・ワイルドにこんなことを言わせている。

「真のアーティストは、作品に素顔など出さない」

つまり仮面を被って顔を出すということだ。

映画のスチール写真とは別に、おそらく宣伝素材だろう、メイクしたベールとヘインズが揃って派手なフェザーで着飾ったなんとも珍妙な2ショット写真が存在しているのである。

『キャロル』で指摘したヘインズ映画の本質は、我ながら間違っていなかったと思う。

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ブライアンの妻マンディを演じたトニ・コレットのさすがの存在感も秀逸。
マンディは、紅一点の主要登場人物として、実は道化師のように物語を動かす鍵となる人物である。

 
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