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想元紳市ブログ

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榊山保(三島由紀夫)『愛の処刑』

ゲイ雑誌の先駆的存在だと言われる『ADONIS』は、1952年から62年まで十年あまり、男性同性愛の会「アドニス会」が発行していた機関誌だ。
小説だけを集めた別冊『APOLLO』の1960年の号に掲載された短編が『愛の処刑』である。
筆者の榊山保は三島由紀夫のペンネームであった。

三十代半ばの中学教師、大友信二の家に、教え子の一人である俊男が訪ねてくる。
同じく教え子で、俊男の親友だった田所は、信二に、雨の中立たせられたことが原因で肺炎を起こして死んだ。
俊男は、信二にその責任をとって切腹してくれというのである。
田所も俊男も愛していた信二は喜んでそれを受け入れ、実行するという、いかにも三島らしい物語である。

信二は、褌を常用している筋骨隆々の毛深い体育教師。一方の俊男は美少年という設定は、官能小説の枠組みを外していない。
切腹の前に、信二が井戸に立って全裸で身体を洗い清める場面など、なかなかにエロチックだ。

「固い引き締まつた胸には胸毛が生え、腋窩からはみ出したつやつやした腋毛は胸の下辺の毛とほとんどつながつてゐた。胸毛の下は、一筋の黒い毛が臍までつづき、毛もくぢやらの腹部の毛は、真黒な影としかみえない密生した陰毛の中へ埋もれていく。(中略)何に興奮してゐるのか、男根は赤紫の亀頭を光らせて、直立してゐた」

その後、俊男は信二が再び褌を締めるのを手伝いながら、股間に手をやり、熱い接吻まで交わすのである。

三島が書いたゲイ向け官能小説というだけも必読。
三島らしい煌びやかな装飾を極力抑えた平穏な文章に徹しつつも、描かれる官能的な情景は、おそらく自己の願望をそのまま生々しく吐露したものであることは言うまでもない。

もちろんオリジナルの『APOLLO』の入手は難しいが、三島の全集の中に本作は収録されている。


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