想元紳市ブログ

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『アメリカン・ハッスル』

すでに始まった今年のアメリカの映画賞レースを席巻している『アメリカン・ハッスル』。

舞台は1970年代終わりのニューヨーク。

ハゲを安いカツラで隠し、見苦しく腹の出っ張った詐欺師、クリスチャン・ベイル。
詐欺の相棒をかつぐセクシーな愛人、エイミー・アダムス。
二人を利用し、おとり捜査を企むFBI捜査官がブラッドリー・クーパー。
カジノ利権と闇社会に通じた市長、ジェレミー・レナー。
情緒不安定な詐欺師の悪妻がジェニファー・ローレンス。

若手から中堅の、今アメリカで最もホットな役者が勢揃いし、それぞれどこかイタイ、過剰な大人たちをゴージャスに演じる。

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5人とも、そこそこに腹黒くしたたかだが、ときに無様で情けない顔をさらし、誰ひとりとして憎めない。

中でも、70年代モードに身を包み、ビッチな女ぶりを発散させたかと思うと、スッピン顔で激しく弱さをさらけ出すなど、強烈な落差を魅力に変えたエイミー・アダムス。
彼女に完全に華を奪われそうなところ、敢えて張り合い、自由奔放さと下品さで見事に輝いてみせたジェニファー・ローレンスは、さすが昨年の若きアカデミー主演女優だ。

「人というものは、ときには悪い道を選ばざるをえないときがある」という人生に、ある意味屈服したともいえる落伍者の美学は、今の時代、逆に魅力的である。

デカダンともアナーキーともいえる極彩色の世界は、滑稽だが人間的な魅力に溢れている。

さらに、ファーやゴールドなど、70年代のグラマラスな風俗やファッション、数々の懐かしいポップスの名曲が散りばめられて、物語をクールに彩る。

著名な映画評論家の何人かが、揃って映画『アルゴ』を引き合いに出しているが、自分にはぴんとこない。
彼らの企みが果たして成功するか、というストーリー自体にたいして面白さはなく、そのことで振り回される彼らのどぎつい人間模様そのものを楽しむ映画だからだ。

その意味で、自分はむしろ、ドラマチックなスペインポップスに乗せ、エキセントリックな男女が過剰な行動を繰り広げる、アルモドバル初期のコメディー映画を思い出した。

 
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