想元紳市ブログ

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豊﨑由美『ニッポンの書評』

普段、書評はあまり読まないのだが、豊﨑由美は、書評自体より、普段の発言や考え方が好きである。

「批評は対象作品を読んだ後に読むものであって、書評は読む前に読むものだということです」

彼女の書評家としての立ち位置は明快だ。
本書の中でも、とりわけ「ネタばらし」の問題に関して、悪しき例と書いた実名を挙げて説明するなど、腹の据わった潔さは、あくまでも読者の側に立つからこそ持ち得るものだろう。

素人のブログやアマゾンのブックレビューに対する意見も容赦ない。

「批判は返り血を浴びる覚悟があって初めて成立するんです」

匿名で書いている以上、著者に対するリスペクト精神と愛情を持って紹介できる本だけに限定すべきであって、悪意だだ漏れの批判的なものは書くべきではないと言う。

そう言いつつも、日本には、発せられるべきところからの批判の習慣がないことも嘆く。
彼女ほど有名になっても、なかなか批判的な文面を入れるのは難しいのだという。

自分は、日本には本当の意味でのジャーナリズムが存在していないと、常々思っている。
特にエンターテイメントの世界でそれは露骨だ。
芸能・映画評論家の多くは、ただの宣伝屋である。
素人による批判が巷に溢れるのは、やるべきプロがやるべき仕事をしていないからではないか、とすら思う。

さらに言えば、それは国民性や日本社会の特性ではなく、成熟さの問題だ。

豊﨑由美といえば、最近、爆笑問題の太田光の小説に対する書評で話題になったが、批判された太田の反応の仕方には、そんな状況の一端を垣間見ることができる。



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