想元紳市ブログ

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『別冊太陽 女優 高峰秀子』

1999年、高峰75歳のとき、生前に発行されたものである。

出演映画やポートレイトなど数々の写真で占められたページのほか、川本三郎が編纂した読み物の部分は、なかなか読みごたえがあった。

例えば、三島由紀夫との対談「高峰秀子さんと映画・結婚を語る」の再録。
まだ若き三島に、どうして結婚しないのかと高峰が質問する。

「必要がないもの。君、用もないのに、渋谷から築地まで電車に乗るバカがいる?」

二人の腹の中を想像するのは楽しい。

何より愉快だったのは、高峰、山田五十鈴、田中絹代の座談会の模様だ。

座談会といいながらも、三人が打ち解けているようにも、会話が盛り上がっているようにもみえない。それぞれトップを極めた女優としてのプライドや自信が、行間にそこはかとなく垣間見える。

「山田先生や田中先生は物心がついて自分の判断でお入りになったけど、私は赤ん坊のときから入っているから。(中略)一生女優で、赤ん坊のときから女優してそれがよほど好きなら何だけれども、自分というものがほかにあるのではないか、ほかの自分というものはわからないけれども、そういう第三者に私あこがれるんですね」

それでも、大女優を長く続けてきた者同志として、言葉にせずとも、認め合い、共感しあっている空気が漂っている。

交友写真からわかる通り、政治家、財界人、芸術家など、時代を代表する顔と親交があった。
驚くべきは、大御所を前にしても、対等に自分の言葉で自分の考えを話すことができた女性だったということである。
高峰に対する今の評価は、まだ不十分だと思う。

「私はずっとやってみて、結局つかず離れずということが何にでも一等いいかなと思う」

幼くして大スターになったがゆえに、一時はたくさんの親戚縁者が高峰に寄生し、金銭的な面倒を見続けた人だからこそ、この言葉には重みがある。


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