想元紳市ブログ

2017年09月 ≪  12345678910111213141516171819202122232425262728293031 ≫ 2017年11月
TOP映画 ≫ 『ネットワーク』

『ネットワーク』

フェイ・ダナウェイの代表作の一つ『ネットワーク』。

視聴率競争に翻弄される、アメリカのTV業界の内幕と、テレビ局で働く人々の風刺に満ちた狂騒劇。

視聴率のためなら手段を選ばない、冷酷な敏腕プロデューサー、ダイアナを演じたのがフェイ・ダナウェイだ。
彼女に利用されるキャスターをピーター・フィンチ、プロデューサーで、ダイアナの不倫相手でもあるマックスを演じたのがウィリアム・ホールデン。

network-dunaway_convert_20160123192436.jpg

1976年の映画で、来るべきTVメディアのモラルの退廃を予見したとも言われる本作。
今のTVの状況を見ると、さらに巧妙に悪化しているように思える。
インターネットという新しいメディアの台頭が、状況を加速させていることは言うまでもない。

そうした、社会派ストーリーと並行し、本作のもう一つの見どころは、ダイアナという女の人間性、さらにマックスとの恋愛ドラマにある。

マックスは妻子を捨て、ダイアナと同棲するに至るも、半年で破綻する。
仕事が全てのダイアナに対し、二人の関係を大切したいマックス。

家を出るとき、マックスがダイアナに残す言葉が痛烈だ。

「これはハッピーエンドだ。浮気亭主は我に返って、妻のところに戻る。ともに愛を紡いできた妻だ。無情な若い女は極北の地に一人残される。エンディングの音楽が流れ、続いてCM、そして来週の予告」

「周囲の人間を破壊する人型ロボット」とまで罵られたダイアナ。
しかし、本当は、本人すら気づいていない、あまりに不器用な脆さを内に秘めているのだ。
おそらく、一度は愛し合った、マックスだけがそれを知っている。

マックスが出ていくとき、平然とコーヒーカップを手にしたダイアナだが、実は体の震えをおさえることができない。
一瞬垣間見せた動揺すら、毅然と振り切るかのように顔を上げるフェイ・ダナウェイの演技が素晴らしい。

彼女が仕事のときに着る様々なシルクのブラウス、パーティーで着る白のカクテルドレスが、今見ても、随分斬新で洗練されているのは、まさにフェイ・ダナウェイが持っていたスタイルが紛れもない本物だったということだろう。


スポンサーサイト

Comment


Comment Form













非公開コメントにする
Trackback

Trackback URL