想元紳市ブログ

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『妻は告白する』

1961年製作、増村保造監督の『妻は告白する』。

登山に出掛けた夫、妻、妻の愛人。
絶壁を登る途中、事故が起き、1本のザイルで繋がれて、宙づりになる3人。
一番上に愛人、真ん中に妻、その下にぶら下った夫。
夫のザイルを切り、愛人と自分の命を救った妻が殺人容疑で逮捕される。

主演は若尾文子、愛人が川口浩、夫が小沢栄太郎。

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法廷ドラマではあるが、3人の人間関係が徐々に浮び上るサスペンスが見事だ。

しかし、この映画の面白さは、なんといっても判決が出てからの終盤30分である。

愛ゆえに、次第に狂気に囚われていく妻、彩子の姿は戦慄的ですらある。

特に、雨に濡れて、愛人の職場を訪れたシーンの凄味。
若尾ファンの間では、伝説の名シーンと言われているらしく、なんと、クランイン初日の撮影だったという。
若尾文子は、本作によって演技派に脱皮したとも言われるが、まさに圧巻の狂気ぶりだ。

『欲望という名の電車』のブランチや『何がジェーンに起ったか』のジェーンを、多くのゲイが愛するように、きっとこの彩子も、同じ意味合いから愛されるタイプの女である。

脇役でありながら、馬渕晴子演じる、愛人の婚約者の存在が、物語の良心である。

やがて、妻と愛人、そして婚約者の3人も同様に、きわどい一本のザイルで繋がれているようなものだったことが明らかになる。

 

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