想元紳市ブログ

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『うさぎとマツコの往復書簡』

「サンデー毎日」に連載されているエッセイの書籍化である。

「魂の双子」とお互いが認めあう中村うさぎとマツコ・デラックス。

若干の時事ネタもあるが、二人が真摯に語るのは生き方の問題である。
生きがいと幸せ、死について、神について、など。
下手な自己啓発本より、はるかに説得力があるのは、二人がともに体を張って獲得してきたものに根付いているからだ。

「あんたは何故、女装するの? 女装って、あんたにとって、どういう意味があるの?」

出逢った当初から、何度も、うさぎはマツコに投げてきた質問である。
マツコはそのたびに答えを試みたが、うさぎを満足させうるものを一度も返すことができず、今だに考え続けているのだという。

「ホモとシングル女は似ている」

二人いわく、どちらも世間から理解を示されないという点において似た者同士で、お互いをともに「魂を売る異形の化け物」だと称す。

共に名作だと認める映画『追憶』について語った部分もおもしろい。
マツコは言う。

「最後の静止画のバーブラは、『これが私の人生!』とでも叫んでいるかのように、どこか清々しい表情すら浮かべていたわ。たとえ今がどんな状況であれ、人生とは、己の下した選択に決して後悔しないこと。『追憶』のバーブラは、まだ、己の訳わからん自意識に困惑していたアタシに、そう教えてくれたように思う」

二人の、TVで見る、毒舌に満ちた辛辣な顔とは別の顔が見えてくる。

こんな、ものすごい言葉もあった。

「腹は決まったわ。神様は、アタシの中にいる。アンタの中にいる。みんなの中にいる。神様に魂を売るってことは、己の魂と決着をつけるってことなんだね」


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