想元紳市ブログ

2017年07月 ≪  12345678910111213141516171819202122232425262728293031 ≫ 2017年09月
TOP映画 ≫ 『セルロイド・クローゼット』

『セルロイド・クローゼット』

LGBTがハリウッド映画の中でいかに描かれてきたかをまとめたドキュメンタリー『セルロイド・クローゼット』。
観るのはこれで3度めだ。

カムアウトしている女優リリー・トムリンによるナレーションは、冒頭こう始まる。

「映画100年の歴史の中で、同性愛が描かれた例はごくまれです。登場しても物笑いの種だったり、哀れみや恐怖の対象でした。でも束の間の映像は忘れ難く、影響は後まで残りました。神話の作り手ハリウッドは、ストレートの人々にゲイをどう見るべきか、ゲイの人々には自らをどう考えるべきかを教え込みました。誰もその影響から逃れることはできません」

some-like-it-hot_convert_20160123223358.jpg

「シシー」という自虐的なキャラクターとして色物的に扱われた時代から、検閲を逃れるため故意に覆い隠して描いた時代。
脇役の一人として登場し始めると、その反発から、死に追いやられるべき恐怖の対象になる。
やがて、普通の生身の人間として、さらにセクシュアリティーに関係なく人間と人間の深いつながりの一つという見方に辿り着くまで。

当時の脚本家や監督、俳優が登場し、裏話や背景を語る。

興味深かったのは、脚本を担当したゴア・ヴィダルが語る『ベン・ハー』の裏話だ。
主役のベン・ハーとメッサーラの関係に同性愛を暗示させる仕掛けをしたこと。
メッサーラを演じたスティーブン・ボイドにだけそれを告げ、演じさせた。

また『メーキング・ラブ』が公開当時いかに衝撃的だったかということ。
公開初日の映画館で、ついに主人公の二人が肌を重ねるシーンでは、多くの観客が席を立ち、通路に殺到したらしい。

終盤の、LGBTによる数々のラブシーンを編集した部分は、さながら『ニュー・シネマ・パラダイス』のあの名シーンとそっくりだ。

あまり指摘されることはないが、音楽が秀逸である。
エンドクレジットに流れる、K.D.ラングの『シークレット・ラブ』は、共同プロデューサーでもあるリリー・トムリンが彼女に依頼したのだという。

1995年の製作だから、既に15年以上前ということになる。
2007年には『ヒストリー・オブ・ゲイシネマ(Here's Looking At You, Boy)』という同様のドキュメンタリーがヨーロッパで製作されているが、残念ながら自分は見逃している。

その後の『ブロークバック・マウンテン』『シングルマン』『エンジェルス・イン・アメリカ』などの登場をどう読み説くか、さらには、日本映画におけるLGBTの描かれ方なども知りたいと思う。

劇中、シャーリー・マクレーンの印象的な言葉がある。

「観客はいつも先を進んでいます」

今もその状況は変わっていない。

the-childrens-hour1_convert_20160123223442.png


スポンサーサイト

Comment


Comment Form













非公開コメントにする
Trackback

Trackback URL