想元紳市ブログ

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『冷たい熱帯魚』

複数の知人から、絶対観るべきとすすめられつつ、なぜか皆、好きとも嫌いとも、良いとも悪いとも言わない理由は、観るとよくわかる。

世界的な評価も高い、鬼才・園子温監督の最新作が描いたのは、暴力、愛、死、狂気、エロチシズム……。
どんな言葉を並べようと、この映画を一言で説明することは不可能である。
有無を言わせぬ、圧倒的なパワーに、ただ打ちのめされて映画館を出るだけだ。

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田舎町で、小さな熱帯魚店を営む、気弱で無口な男。
後妻、死んだ先妻との間の娘の三人で暮らす家庭は、ほとんど崩壊寸前である。
些細なことから、同業者のある夫婦と出会ったことが、彼を壮絶な破滅の道に導いていく。

監督の実体験と、実際に起きたいくつかの猟奇殺人事件からインスパイアされたものだという。

日本のTVや映画を支配する、生ぬるいヒューマニズムや愛、軽薄な笑い、作りものめいた恐怖、表向きの優しさや希望など、それら全てを、完璧に破壊して、嘲笑うかのよう。
口当たりのいい世界にどっぷり浸かった我々に、監督は血みどろの挑戦状をたたきつけるのだ。

映画制作のお決まりの方法論や、予定調和な展開は一切ない。
観る者が、簡単に理解し、たやすく感想を述べることすら拒否するような、とてつもないエネルギーに満ちているのである。

夥しい血や肉が画面にあふれるので、その手のものが苦手な人は、相当つらいかもしれない。

役者陣の演技は全員、圧巻。
とりわけ、それぞれの妻を演じた、ほぼ無名の女優陣の演技は強烈だ。

この映画は、観るというより、体験すると表現した方が正しいかもしれない。

 
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