想元紳市ブログ

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『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』

香港・フランス合作のハードボイルド・ムービー『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』。

原題は単純に「復讐」。
思い切った気障な邦題にも、決して引けをとらないだけの、濃密な味わいを堪能した。
香港映画伝統のストレートなギャング映画に、フランスらしい大人の成熟がうまい具合にブレンドされて、一つの世界を作ったと自分は思う。

舞台はマカオと香港。
夫と子供を殺され、自らも瀕死の重傷を負った娘のために、父親が復讐を誓う。
そのために雇ったのが、3人の殺し屋。

しかし、この父親の行動はどこかおかしい。
実は、彼も、かつては腕利きの殺し屋だったが、頭に受けた銃弾が原因で、記憶を長く留めておくことができないのだ。
そして、まもなく、全ての記憶をなくしてしまうこと。
彼は、次第に、自分は誰を殺そうとしているのか、誰と手を組んでいるのかすらわからなくなっていく。

なんと言っても、映像のスタイリッシュさ。
月夜の森、どしゃぶりの夜の香港の街、強風の舞う草原など、思わず酔いしれてしまいたいほどの美しさである。

そこにあるのは、形だけでなく、本物のスタイルだ。

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父親を演じたジョニー・アリディは本国フランスでは大スターらしいが、元々、アラン・ドロンを想定して書かれた脚本だったらしい。

キャッチコピー「記憶を失くした男に復讐の意味はあるのか」は、映画の中で実際にある台詞の一つである。

そして、その台詞のあとには、こう続く。

「彼は忘れても、俺は約束した」

1人のフランス人と3人の中国人の絆は、ハードボイルドの定石、男の美学そのものである。


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