想元紳市ブログ

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『ヒアアフター』

クリント・イーストウッド監督の最新作は死を描いた『ヒアアフター』。
ヒアアフターとは「来世」を意味する。

スピリッチュアルなテーマは、好みの分かれるところだろうが、自分はエンドクレジットが終わってもしばらく席を立てなかった。

3つの物語がオムニバスのように並行して進む。

サンフランシスコ、霊能者であることに疲れ、その世界から逃れようと苦しむ青年ジョージ。
リゾート先で臨死体験をしたジャーナリストのマリーは、パリに帰国後も元の生活に戻れず、死後の世界についての探求にのめり込んでいく。
双子の兄を事故で失った少年マーカスが、現実を受け入れられず、答えを求めてロンドンを徘徊する。

3人の心の葛藤をひたすら丁寧に、控えめに、淡々と追い続けるイーストウッドの眼差し。
そこには、人の心の奥深いところにある痛みに、ただそっと寄り添おうという優しさが見てとれる。

例えば、ジョージとマリーを繋ぐことになる、一通の手紙に至っても、何が書かれているのか、観客にはわからない。
ただ、届いた手紙をホテルの部屋で読むマリーの微笑みで、さりげなく予感させるだけである。

心の痛みや苦しみと真摯に向き合うことで見えてくるものを描くことが、実はこの映画の真の主題ではないかと思えてくる。

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終盤、3人は不思議な力に引き寄せられるように、ロンドンで出逢う。

おそらく、無意識に、心の奥深くで互いを理解しあう3人。
死を真摯に見つめようとする、お互いの魂が共鳴し、響きあうというと大袈裟だろうか。

そして、見つける一筋の光。
ジョージに起きる奇跡。
霊感によって、今まで、過去や死人とのみ対話してきた彼が、ここで初めて、確かな未来を垣間見るのである。

人と人との出会いには、こんなにも優しくて、安らかな形があったのか。
そんなラストシーンに、思わず涙が溢れる。

  


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