想元紳市ブログ

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『女系家族』

細雪』に続き、大阪船場物といえば『女系家族』。
原作は山崎豊子である。

老舗問屋、矢島家。
主である父親の死後、三姉妹と妾が遺産をめぐって骨肉の争いを繰り広げる。

三姉妹に京マチ子、鳳八千代、高田美和。
妾に若尾文子、叔母に浪速千栄子。

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とりわけ、浪速千栄子の演技が秀逸だ。
いかにも大阪人らしい狡猾でしたたかな中年女を演じて、抜群にうまい。

例えば、初めて矢島家に挨拶に来た若尾が妊娠していることを見破り、着ていた羽織を破って問い質すシーン。
若尾の妊娠を確認しようと4人で家まで乗り込み、布団に押さえつけて、強引に連れてきた医者に検査させるシーン、など。

登場人物たちは、脇役に至るまで皆揃って腹黒い。
それでいて、一人として嫌悪感を抱かせるような人物がいない。
そこに、爽快感すらあるのは、基本姿勢として、人間とは欲深いもの、という事実をあっさり受け入れているからだと思う。

まだ一番純粋な末っ子は、友人とゴルフをしながら言う。

「遺産分けもちょっとスポーティーですのよ。スリルがありますねん。誰でも欲のない人間てないさかい。……あたしかて、車やヨット買うて、みんなで遊びまわったら楽しいやろ思うて、頑張ってますねん」

この能天気とも言える明るさ。
それは、この時代の日本人の持っていた潔さ、健全さ、でもあるのだろうか?

末娘を「こいさん」、次女を「中姉ちゃん(なかあんちゃん)」と呼ぶ粋な習わしは今もあるのだろうか?

質の高い日本映画が量産されていた時代で、撮影は宮川一夫、脚本が依田義賢。

何度かテレビドラマ化されているが、自分は一度も観たことがない。
この映画版を越えるものがあったとは到底思えない。

数年前には、米倉涼子主演でドラマ化されたが、舞台を現代の東京日本橋に置き換えたセンスには、唖然とする。



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