想元紳市ブログ

2017年07月 ≪  12345678910111213141516171819202122232425262728293031 ≫ 2017年09月
TOP映画 ≫ 『チャイナタウン』

『チャイナタウン』

ハードボイルド映画の傑作『チャイナタウン』。

初めて観たのは確か高校生の頃だ。
今回改めて観直した結果、まぎれもない名作だという思いを新たにした。

主演はジャック・ニコルソンとフェイ・ダナウェイ。
監督がロマン・ポランスキー、プロデューサーが『くたばれ、ハリウッド』で知られるロバート・エヴァンス。
ジェリー・ゴールドスミスの音楽が、物悲しさと退廃感を盛り上げる。

chinatown-1974-movie-still.jpg

舞台は1930年代のロス。
私立探偵ギテスは、一人の女から夫の浮気調査を依頼される。
やがて、水源電力局の部長だった夫は殺害され、その後、本物の妻イヴリンも登場し、いよいよ事件はダム建設をめぐる巨大な陰謀につながっていく。
そして、事件の裏で次第に明らかになる、イヴリンをめぐる愛憎の秘密。

チャイナタウンとは、かつてギテスが刑事だった頃に管轄した場所であり、混沌と特異性を象徴する。
ギテスの言葉を借りるならば、「ほんの先のことすら読めない街」。

まさしく、この映画のテーマそのものである。

ギテスのキャラクターは、最初からジャック・ニコルソンを想定して書かれたのだという。
映画でははっきり描かれていない、おそらく女に関係した深い心の痛手が、さりげなく垣間見える陰の部分がいい。

イヴリンを演じたフェイ・ダナウェイのミステリアスな美しさも必見。
眉を剃って上に細く描き、唇の輪郭を弓型にくっきりなぞる独特のメイクのため、カット毎に直しが必要だったという。

真実を聞きだそうと、ギテスがイヴリンを連続で平手打ちする場面は、痛々しいばかりか、心にも強く残る名シーンだ。

イヴリンは、物語の中ではただ一人、純粋で無欲な存在。
しかし、それゆえに、悲劇が彼女を襲う。
夜のチャイナタウンでそれが起こり、映画は終わる。

虚無感とどうしようもないやるせなさが、いつまでも拭えず続く。

 
スポンサーサイト

Comment


Comment Form













非公開コメントにする
Trackback

Trackback URL