想元紳市ブログ

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『駅路』

松本清張原作、向田邦子脚本のドラマ『駅路』の再放送を観た。

銀行を定年退職した男が、突然、失踪する。
一人の男が人生の終着点を迎えて、何を考えたのか。
残された妻、男を追う謎の女、定年間近の刑事ら、それぞれの人生が交差する。

モチーフになるのがゴーギャンの絵だ。

原作にもドラマにもあるこの一節が、重要なテーマである。

「人間というものは子供の犠牲になるものだ。その子供たちはまた自分の子供の犠牲になる。この馬鹿げたことは永遠につづくらしい。もし、すべての人間が子供の犠牲になるとしたら、一体、誰が芸術や美しい人生を創造するのか」

2009年のリメイクで、出演は役所広司、深津絵里、十朱幸代。

オリジナルは、1977年に『最後の自画像』という異なるタイトルで放送されている。
それ以外にも、向田の脚本でないものが2作、存在しているらしい。

向田は、原作物の脚色は好まなかったが、この作品だけはなぜかすんなり引き受けたという。
男の人物像が父親に似ていたという点。
そして、もう一つの理由――。
主人公の男の趣味がカメラ、彼が撮影した愛人の写真、というと、向田ファンならすぐにピンとくるだろう。
→『没後20年 向田邦子が秘めたもの

向田は、自身の心の葛藤をドラマに織り込んだのだ。

原作と脚本の両方を収録した本が出版されており、並べて読むと、向田がかなり大胆に脚色したことがわかる。
松本清張は、向田の脚本を読み、思わずニヤリと笑ったとか。

1977年版の女優陣はいしだあゆみと加藤治子で演出は和田勉、つまり向田作品黄金の組み合わせ。
となると、どうして観たくなってくる。


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