想元紳市ブログ

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『めぐりあう時間たち』

違う時代を生きる3人の女の特別な1日が、時間を超えて見事に交差していく。

1923年英国、『ダロウェイ夫人』を執筆しているヴァージニア・ウルフ。
1951年LA、『ダロウェイ夫人』を読んでいる主婦、ローラ・ブラウン。
2001年NY、『ダロウェイ夫人』と呼ばれ、彼女さながらの一日を送るクラリッサ・ボーン。

そして物語は予想もしない結末へ。

なんといっても、ピューリッツァー賞を受賞した原作そのものが実に秀逸だ。
映画は原作にほぼ忠実に作られている。

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冒頭のタイトルクレジットで、3人それぞれの素描があり、ウルフがペンを持ち、小説の書きだしを思いつくシーンへと続く。

『ダロウェイ夫人は言った。花は私が買いに行くわ』

ローラが、ベッドの上でその一節を朗読する。
続いて、クラリッサが、恋人のサリーに声をかける。
「花は私が買いに行くわ」――。

幕開けのシーンだけで、これから始まる物語にワクワクするような興奮を覚えるはずだ。

重層な物語のテーマを一言で語るのは難しい。
至るところに伏線やなんらかの意味が組み込まれており、おそらく細部まで理解するためには、小説『ダロウェイ夫人』に立ち戻らねばならないだろう。

映画の最後に朗読される、ウルフの遺書の中に、大事なヒントがあるかもしれない。

「いつも人生を見つめ
ありのままを知り
ありのままを愛する
最後に愛を知り
そして捨てる」

三つの物語を紐解くキーワードのひとつは「同性愛」である。

実際、ウルフには、同性愛関係にあった女性がいたというのが通説で、ローラは隣人のキティに秘めた思いを寄せている。クラリッサに至っては、女性と10年同棲し、すでに倦怠すら芽生えつつある関係にある。
エイズを患う、詩人でゲイのリチャードは、物語の鍵を握る存在だ。

原作のマイケル・カニンガム、映画の監督スティーブン・ダルドリーもゲイである。

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