想元紳市ブログ

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仲代達矢『遺し書き』

TVで仲代達矢のドキュメンタリーを観たあと、早速手にした自伝『遺し書き』。

ドキュメンタリーは、恭子夫人の死後十数年、孤独と喪失、迫りくる老いと戦いながら、無名塾の運営、そして舞台『ドライビング・ミス・デイジー』に取り組む姿を追うものだった。

本書も大半は、恭子夫人との思い出で占められている。

無名塾を発足した理由については、こう説明している。

「40代前半、人生を振り返るひとつの節目を迎えたある日、恭子はこう言った。
『死ぬときに、自分の人生をよかったと思えるようなことをしましょう』
(無名塾の発足は)私と恭子にとっては『死の準備』という言葉がぴったりとくる」

印象に残るのは恭子夫人の人間としての強さと決断力だ。
これほどの女性に支えられ、そして喪うとはどんなに悲痛な体験だろう。

妻の死後5年は自殺を考えていたという。
敢えて、仕事やロケも危険なものを選んだ。
そうした時間を経て、ようやく辿り着いた境地とは……。

「死が生の意味を深めるように、かけがえのない人を失った悲しみは、見過ごしていたささやかな喜びの鉱脈を掘り当てるチカラをもたらしてくれたと思いたい」

無名塾があったから、なんとか生きてこれたという。

恭子夫人が亡くなって14年、未だお墓は作らず、自宅に遺骨を置いたままだそうだ。
納骨は、自らが死んだときに一緒にしてもらうのだという。


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