想元紳市ブログ

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『ながらえば』 

山田太一脚本、笠智衆主演の名作ドラマ『ながらえば』。
製作は1982年。

長年連れ添った老夫婦の愛情に、何度観ても涙を堪えることができない。

息子の転勤に伴い、病気で入院している老妻を名古屋に残して富山に引っ越す笠智衆。
しかし、引越して二日とたたないうちに、妻のことが心配で、いてもたってもいられなくなる。
息子夫婦の反対を強引に振り切って、着の身着のまま電車に飛び乗る。
もちろん名古屋までの切符代もなく、途中、山奥の小さな旅館で足止めをくう。

宇野重吉演じる年老いた旅館の主の妻が、その夜亡くなる。
二人の名優が、日本酒を飲みながらしみじみと語りあう場面は、ドラマ史に残る名シーンだ。

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宇野が笠を前に、しみじみと呟くひと言。

「仏があんたはんを、うちへ泊めたのかもしれん。明日、しっかり逢うて、ええこと、言うてあげて下はれ」

それを聞いて笠は、畳にひれ伏して泣き崩れるのである。

翌朝、ようやく名古屋にたどりつき、病室の妻を訪れた笠は、子供のように泣きじゃくって、ついに重い口を開く。

笠智衆を見ていると亡くなった祖父を思い出す。
外見も、声も、仕草も祖父とよく似ていた。
同様に感じる人も多いはずで、これが笠智衆という役者の素晴らしさだろう。
寡黙で、まっすぐで、不器用な「日本の祖父」だ。

山田太一と笠智衆のコンビでは、他にも『今朝の秋』『冬構え』といった名作ドラマがある。

 
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