想元紳市ブログ

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『ずっとあなたを愛してる』

2008年のフランス映画。
主演は、クリスティン・スコット・トーマス。
有名小説家の初監督作品にして、ヨーロッパで数々の賞を受賞した傑作だとは知らずに観始め、驚いた。

激しく心をゆさぶられ、観終わった今も、様々な感情に動揺している。

人が耐えうる絶望について、喪失からの再生について――。

我が子を殺した罪で15年の服役を終え、出所してきたジュリエットを妹のレアが迎え入れる。
殺人の動機は最後に明らかになるが、そもそもそれはこの映画のテーマではない。

ジュリエットは言う。

「出所の日を告げられてからの数週間が一番苦しかった」

裁判ではなんの反論もせずに無言を通し、刑を受け入れたジュリエット。
彼女にとっては15年の服役が、死なずに生きていける唯一の道だったのではないかと思える。

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ジュリエットと関わる、二人の孤独な男が心に残る。

ひとりは、10年前に妻を交通事故で失くした大学教師。
もうひとりは、離婚したせいで、幼い娘と離れて暮らす警官。

酔っぱらった知人に執拗に過去を詮索されるジュリエットを見つめる、大学教師のせつない瞳が胸が苦しくさせる。

また、オリノコ川に旅するのが夢だという警官が言う。

「オリノコ川は2500キロもある大河、この川が神秘的なのはどれだけ探しても水源が見つからないこと。いくつか湧水があるが、どれも本当の水源ではない」

それに対するジュリエットの答えはこうだ。

「世の中、未知のものはたくさんある」

人の真の姿も、まさに探しても見つからない水源のようなものではないか。

この二人の男は、全く正反対の道を選ぶことになる。

エンドクレジットに流れる素朴なシャンソンは、まるでジュリエットの死んだ息子が歌っているように、自分には思える。


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