想元紳市ブログ

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『ハート・ロッカー』

本年度のアカデミー最優秀作品賞。

『ハート・ロッカー』とは米軍のスラングで「苦痛の極限地帯」「棺桶」を意味するという。

バグダッドで、爆発物処理にあたる米軍特殊部隊の日々。
たいしたドラマも、複雑な人間関係もない。
ただひたすら、危険な作業の様子と兵士の日常が、ハンドカメラでドキュメンタリーのように撮影される。

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計算された構成、極限の緊迫感を捉えたカメラワークなど、これまでなかった力の籠った意欲作であることは確かだ。

ただ、観終わってまず考えたことは、何故これが『アバター』など超大作の本命をおさえ、作品賞に選ばれたのか、という事実である。

全ては、最後の10分にあると自分は思う。

一時帰国し、妻子と過ごす、一見したところ穏やかで平和な時間。
しかし、精巧な爆撃装置から発火線を見つけることはできても、スーパーに並んだ大量のシリアルから一種類を選ぶことすらできない。
キッチンで料理しながら、一方的に戦場の話を続ける夫と、それを無視する妻。

そして、夫はまた戦場に旅立つ。
映画の冒頭に戻るかのような長いループがまた始まる。

この10分の、平穏な日常を捉えた映像が、それ以外の長い戦場のシーンに、ある一つの意味を与える。

観終わったあとの、妙な心の動揺はいったい何ゆえだろう。


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