想元紳市ブログ

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『ルージュ』

以前からずっと観たかったスタンリー・クワン監督の初期の作品『ルージュ』。

主演は、レスリー・チャンとアニタ・ムイ。

娼妓と裕福な青年は、実らぬ恋から心中。
しかし、50年後、あの世で青年に会えなかった娼妓は、彼を探しにこの世に戻ってくる。

女の執拗なまでの情愛と執念。
たまたま彼女に手を貸す現代の若いカップルは言う。

「女は運がいいといい夫に恵まれ、不運だと娼婦になる」

「もう彼女のような愛し方はできない。現代は、女には不幸な時代だ。彼女が羨ましい」

耽美で官能的な雰囲気はゲイテイストにあふれている。

特に娼館のインテリア、薔薇の壁紙、扉のステンドグラスなど。
アニタ・ムイの纏う30年代のチャイニーズドレスの艶やかさ。
メロドラマ風の音楽も、ノスタルジーをいざなう。

冒頭、薔薇の壁紙の前で、ルージュをひくアニタ・ムイの美しさといったらどうだろう。
フラワーという女の名が象徴するように、まるで一輪の花のようだ。

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もともとホラー色の濃かった脚本を、監督はぐっと抑え、よりリアルに人間的に描くことにしたのだという。
その結果、監督の美意識と相まって、不可思議な、ふんわりとした夢の中のような作品に仕上がった。

原作・脚本は『さらば、わが愛』のリー・ピクワー。
本作で、京劇役者に扮したレスリー・チャンを見て、『さらば、わが愛』を構想したのだという。

異色作ともいえる内容で、決して万人受けする映画ではないが、本作品があってこそ、『さらば、わが愛』が生まれ、スタンリー・クワンの後の映画がある。

この映画が公開されてから15年後、2003年は香港映画界にとって悲劇の年になる。
レスリー・チャンとアニタ・ムイという二人の名優をともに40代の若さで失うのである。


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