想元紳市ブログ

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『後悔なんてしない』

最近、知人に何本かゲイシネマを教えてあげたところ、韓国映画の本作が一番よかったそう。
なんでも、数日、仕事が手につかなくなったらしい。

田舎の孤児院からソウルに出てきたスミンと、大会社の御曹司ジェミンのラブストーリーである。

あまりに古典的過ぎる設定とベタなストーリー展開も、洗練された音楽と映像、ソウルの都会的な空気が溶け合ったセンチメンタルな雰囲気が、思いのほかしみじみとした味わいを生んでいる。

二人は、偶然出会い、かみ合わないまま再会し、それでも拒絶し、やがて恋に落ちるが、当然、乗り越えられない現実に直面する。

スミンは事あるごとに繰り返す。

「僕たちの関係はいったい何なの?」

この言葉は、多くのゲイにとって特別な思いを想起させる。

どんなに深く長い関係を築いても、結婚や社会的な認知とほど遠い二人は、明日には別れの危うさと儚さがつきまとう。
誰でも過去一度や二度は、己や相手に問いかけたことがあるはずだ。

結末はハッピーエンドである。
車の中で、ジェミンがスミンの股間に手をあてるシーンで、映画は終わる。
それは、以前、愛を受け入れたスミンがジェミンの股間を握ったシーンと重なる。

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哀切に満ちた、美しいシーンがいくつかあった。

二人が、ジェミンのオフィスでダンスする様子が遠景になり、ソウルの夜景に溶けていくシーン。

夜の漢江を渡る橋の上を車で走りながら、友人の遺灰をまくシーン。

本作の他、中国の『藍宇』、台湾の『花蓮の夏』など、アジアの他の国では生まれた、真正面から向き合ったゲイ映画が、日本映画には一本も見当たらないのが残念である。

 
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