想元紳市ブログ

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『ホリデイ』『リトル・ミス・サンシャイン』

「名優たちの競演」といういい加減なテーマで、放送していた映画を2本。
両作とも観るのは2度目だが、改めて、しみじみとしたいい映画だと思った。

『ホリデイ』

ロンドンとLAで、共に失恋したての女二人がネットで知り合い、お互いの家を交換して2週間の休暇を過ごすことにする。
二人を演じるのが、キャメロン・ディアスとケイト・ウィンスレット。

それぞれが、見知らぬ土地で様々な出会いを経験し、癒されていく。

失恋したものが観るべき映画として、まっさきに名前の出る、この映画。
特にケイトが、失恋からついに吹っ切れたシーンの爽快感は、なるほど胸がすく思いだ。

ケイトが、隣人の老人と触れ合うエピソードが心温まる。

引退した有名脚本家である老人がケイトに言う。

「映画には必ず主人公とその親友が現れる。しかし、君は、自分の人生で、自分が主人公のはずなのに、親友の役しか演じていない」

これを聞いて、ケイトははじめて自分の過ちに気づくのである。

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『リトル・ミス・サンシャイン』

祖父、父、母、伯父、息子、娘。
それぞれにかなり難ありの問題を抱えた家族が、娘の美少女コンテスト出場のため、一台のポンコツバンに乗ってアルバカーキーからカリフォルニアに向かう。

テーマは、人生には勝ち組と負け組があるのか?

父がグレッグ・キニア、母がトニー・コレット、伯父も祖父も達者な役者が勢揃い。
とりわけ、息子と娘を演じた子役の素晴らしさが光る。

ちなみに、伯父はゲイで、教え子に失恋して教師の職も失い、自殺未遂をおこした男という設定だ。

終盤、コンテストで家族全員がステージに上がり、娘と一緒におバカなダンスをするシーンは、滑稽なはずなのに、なんだか涙が出てしょうがない。

負け組だと思っていた者たちが、確かな勝利をつかむ瞬間である。

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『フィリップ、きみを愛してる!』

IQ169の天才詐欺師が、愛する恋人のため、詐欺と脱獄を繰り返すという実話の映画化である。

妻子を持ちながらゲイライフを満喫していたスティーブン。
詐欺で投獄された刑務所で、気弱な囚人フィリップに出会い、恋に落ちる。

スティーブンを演じたのはジム・キャリー、フィリップがユアン・マクレガー。
特に、ひ弱で繊細なゲイを演じたユアンが魅力的だ。

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一風変わったゲイの純愛ストーリーである。

軽妙でテンポの早いコメディータッチ、そして独特の音楽が、湿っぽい場面ですら、おどけた滑稽な空気を醸し出す。
舞台となるテキサスの澄んだ青空さながらに、底抜けな爽快感がある。

詐欺の手口があまりに巧妙すぎて、ややリアリティを感じられないのは事実。
しかし、観終わると、スティーブンの一途な愛と、常に希望を捨てないポジティブな生き方に喝采を送りたくなる。

実際のフィリップは2006年に釈放され、スティーブンは今も無期懲役で服役中だという。


『グッバイガール』

先日、TVで『コンペティション』という懐かしい映画を放送してたが、今観たら、ずいぶん酷い出来だった。
主演のリチャード・ドレイファスと言えば、自分はなんといっても『グッバイガール』だ。

1977年公開で、もう33年も前の映画だと知って驚いた。

舞台はマンハッタン。
売れない役者と子持ちダンサーが、やんごとなき理由で同居するはめに……。

まず、『グッバイガール』というタイトルが抜群にいい。
このダンサー、男運が全くなく、何度も男に振られては痛い目にあっているのだ。
捨てられた母親をいつも慰めるのは、異様にませた小学生の娘、という設定もいい。

ダンサーのポーラを演じたのがマーシャ・メイスンで、役者のエリオットがリチャード・ドレイファス。

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脚本ニール・サイモンらしい、気の効いた、しゃれた会話の応酬は、絶品の味わいだ。
この映画を観たことをきっかけに、彼が書いた映画脚本、戯曲集を読み漁ったものである。

大ヒットしたデビッド・ゲイツの主題歌が流れるエンディング。

エリオットにまた振られたと思ったポーラが、家でウジウジ泣いている。
いつものように娘から慰められているところに、突然、電話が鳴る。
大雨の降りしきる夜のバルコニーのシーンは、いつまでも心に残る名場面だ。

リチャード・ドレイファスは、本作でアカデミー主演男優賞を受賞した。

 

『50歳の恋愛白書』

50歳を迎えたピッパ・リーが、歳の離れた作家である夫との結婚生活を振り返る。
ティーンだったころの自堕落で破天荒な日々。
満たされない現在の生活。
そして、幾つかの出会いや事件を通し、50歳以後のこれからの人生を、再スタートするに至る物語だ。

贅沢なキャスティングに驚かされる。

主演はロビン・ライト・ペン、夫がアラン・アーキン、隣人がキアヌ・リーブス、友人がウィノナ・ライダー、夫の前妻がモニカ・ベルッチ、叔母の恋人がジュリアン・ムーア。
プロデューサーはブラッド・ピットだ。

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今年ショーン・ペンと離婚した、ロビン・ライトの美しさに目を見張る。

『フォレスト・ガンプ』の彼女はもちろん、『デボラ・ウィンガーを探して』でインタビューを受ける素顔の彼女に魅了された。
知的で、美しく、自分の言葉を持った、大人の女性の魅力に溢れていた。

本作を観て、ふいに思い出したのはジョン・アービングの『ガープの世界』である。
ストーリーは異なるのだが、自分にはガープの女性版という気がする。

原題は”The Private Lives of Pippa Lee”。
風変わりな主人公の名前も、タイトルも、そして母親との関係が一つのテーマになる点も、明らかに『ガープの世界』を意識しているように思える。

その意味でも、『50歳の恋愛白書』という邦題は、あまりに酷い。

原作・脚本・監督のレベッカ・ミラーはアーサー・ミラーの娘である。
監督は別の人の方がよかったのではないか、と思う。


仲代達矢『遺し書き』

TVで仲代達矢のドキュメンタリーを観たあと、早速手にした自伝『遺し書き』。

ドキュメンタリーは、恭子夫人の死後十数年、孤独と喪失、迫りくる老いと戦いながら、無名塾の運営、そして舞台『ドライビング・ミス・デイジー』に取り組む姿を追うものだった。

本書も大半は、恭子夫人との思い出で占められている。

無名塾を発足した理由については、こう説明している。

「40代前半、人生を振り返るひとつの節目を迎えたある日、恭子はこう言った。
『死ぬときに、自分の人生をよかったと思えるようなことをしましょう』
(無名塾の発足は)私と恭子にとっては『死の準備』という言葉がぴったりとくる」

印象に残るのは恭子夫人の人間としての強さと決断力だ。
これほどの女性に支えられ、そして喪うとはどんなに悲痛な体験だろう。

妻の死後5年は自殺を考えていたという。
敢えて、仕事やロケも危険なものを選んだ。
そうした時間を経て、ようやく辿り着いた境地とは……。

「死が生の意味を深めるように、かけがえのない人を失った悲しみは、見過ごしていたささやかな喜びの鉱脈を掘り当てるチカラをもたらしてくれたと思いたい」

無名塾があったから、なんとか生きてこれたという。

恭子夫人が亡くなって14年、未だお墓は作らず、自宅に遺骨を置いたままだそうだ。
納骨は、自らが死んだときに一緒にしてもらうのだという。


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