想元紳市ブログ

2009年09月 ≪  12345678910111213141516171819202122232425262728293031 ≫ 2009年11月
TOP ≫ ARCHIVE ≫ 2009年10月
ARCHIVE ≫ 2009年10月
      

≪ 前月 |  2009年10月  | 翌月 ≫

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告 | Comments(-) | Trackbacks(-)

山田風太郎『人間臨終図巻』

本書は全3巻に分かれている。
Ⅰは15歳から55歳で死んだ人、Ⅱは56歳から72歳、Ⅲは73歳から100代で死んだ人。
総勢900名以上の世界の著名人の臨終が短くまとめられているのである。

様々な評伝や、臨終に立ち会った近親者・知人の文章を引用。
読み応えがあるのは、単に事実の羅列にとどまらず、娯楽小説の大家らしい一言やエピソードを添えている点だ。

たとえば、歌人の伊藤左千夫。
大きな体格を持ち、12人の子供を一人の妻に産ませ、傲慢な性格で有名だった左千夫の臨終については、弟子斉藤茂吉のコメント、
「寝棺におさめる前に、清い湯で先生を拭いてあげた。先生の男根は僕が想像していたよりもっと小さかった」
を引用し、さらに山田は、
「茂吉自身、自分の男根の小ささを気にしていたので、このことが目にとまったのだろう」と書く。

また、銭型平次で有名な大川橋蔵の臨終については、未亡人の葬儀での挨拶を引用。
「主人はたった一つの宝はお前だっていってくれました。主人の楽しみは、女房をきれいにして連れて歩くことだ、と常にいってくれました」
そこに、山田はこう書き足す。
「と、芝居ががった挨拶をしたが、それは烈しい恋愛合戦の末に祇園の芸妓から妻となった彼女の、かつてのライヴァルたちに対する勝利宣言であったろう」

昨日は、ミュージシャンの加藤和彦自殺のニュース。
同じ死でも自殺の衝撃は後味が悪い。

思い出すのはサガンの言葉だ。

「自殺とは他人に自分の死を押しつけることである」

まったくもって事実だと思う。

  

スポンサーサイト

『絶対の愛』

韓国の鬼才キム・ギドク監督の『絶対の愛』を観た。

彼の『悪い男』や『春夏秋冬、そして春』は傑作だと思う。
本作のテーマも、まさにギドクならではの男女の激しい愛である。

異常な所有欲と嫉妬に苛まれ、さらに男の倦怠と心変わりに不安を覚えた女が、突然姿を消す。
再び、男の前に現れたときには、整形手術によって別の女に生まれ変わっていた。

物語はこのあと驚くべき展開を見せる。
異常なのは女だけではなかった。
二人が行き着いた先には、常軌を逸した世界が待ち受けていた。

美容整形大国と知られる韓国。
描かれるのは、そうした社会に対する皮肉であると同時に、狂気に囚われた男女の悲劇だ。
確かにいくつかの設定に無理はあるものの、狂った大人の寓話として観ると、あまりの濃密さに圧倒される。

960_convert_20160125113248.jpg

この男、決してハンサムではないが、引き締まった肉体と髭が野性的色気を放っている。
それでいて、女に翻弄されてしまう弱さや繊細さが魅力だ。

海岸にたくさんのオブジェや彫刻を配置した公園を、二人は度々訪れる。
仁川西海岸の沖にある茅島に実在するらしい。

手のひらのオブジェの上で、二人は記念写真を撮る。
写真は、物語の重要な鍵となる。

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。